株式会社TASKO代表
うちはイベントから広告やデジタルの制作、デザインまでやるという、いわゆる通りすがりの制作会社です。人をたのしませる機械やいろいろなアートもつくっています。
調子乗って、名前を出す際はカタカナで書いてますけど、タイチが苗字で、ナオキが下です。ちょっと恥ずかしいので、カタカナの名前にしました。
タイチさんのプロフィールはここを CLICK
聞き手: 岡田智博 一般社団法人クリエイティブクラスター代表
タイチ:会社は祐天寺にあって、雑居ビルをまるまる使っています。
岡田:目黒の真ん中で一棟?
タイチ:一棟まるまる使って、日々コツコツといろいろものを作っている感じです。
岡田:オシャレとされる目黒の真ん中、祐天寺で製造業ってなんかすごいですよね。サービス業だけど製造業だよね、TASKOは?
タイチ:そうですね、もともと創業は武蔵小山という東急目黒線というところに作ったんですけど、まぁその時に一気に六本木とか青山周辺に攻め込むという手もあったんですけど、通勤時間がちょっと面倒くさいなというので、ギリギリ代理店の人が来てくれそうなメーカーの人が来てくれそうな祐天寺とか武蔵小山周辺に探していて、そこに構えた感じです。
会社の理念的なことをいうと、「工具箱にはたくさんの道具が入ります。ひとつの道具で作れるものは少ないですが、種類が増えれば組み合わせは数え切れないほどに広がります。TASKOは、美術、制作、プロデュース、設計、制作、デザイン、ウェブ、舞台制作の専門スタッフたちが集まり、ユニークな提案力と、確かな技術力を要する21世紀型総合アートカンパニーです。みなさまの探している道具がここにあります。日々増えていくTASKOの道具箱、ぜひ一度覗いてみませんか」とあらわしています。
これがまぁ全てなんですけど、結構アーティストのわがままに応えさたりするような感じで、機械からアプリまで、いろいろなものをつくってます。
なにかクリエイティブなことをしたいときに、全般的に手伝えるというようなチームです。
岡田:どれだけ全般的かは、ほんとう全般的なので、これから解剖していきましょう。
タイチ:どうしてまぁそんな会社になったかというと、TASKOはもともと明和電機というアーティストのスタッフだったり出演者だったりが集まって作った会社で、私は明和電機のマネージャーをやっていていました。それで、機械を作る人間がいたり、デザインやったり、イベントやったり、そういうバックグラウンドを持っているチームで創業したのです。
明和電機は知っていますかね? 知っていますよね、みなさんなんとなくは。
あの青い作業服を着て、電気で動く変な機械を、変なっていったらあれですね「アート作品」を作って、それをライブコンサートだったり、展示会場だったり、おもちゃに落とし込んだりして活動しているアートユニットです。
岡田:芸人としたらもう、大御所ですよね。
タイチ:大御所。
岡田:はい。
タイチ:明和電機は再来年で30周年です。電気つながりですが電気グルーヴとだいたい同じ芸歴ですね。
岡田:もう、ITという時代より前からですから、デジタルという感じではなくて、そもそも作品が100ボルトで電源をさして動く装置。いわゆる日本の昔すごかった80年代の「家電臭」がすごいですよね。
タイチ:そうですね。メカニカルな感じの作品で、今のメディアアートだと、P Cがないと成立しないと思うんですけど、明和電機の場合は映像表現じゃない、ビジュアル表現じゃないというのが際立っているかなと思います。
成功しているのか成功していないのかはアレなんですけど、普通の現代美術アーティストとかだと、ギャラリーに所属して作品を高く売っているというのだったり、個展を回していくというのが普通なんですけど、明和電機は現代美術のギャラリー市場には乗っかっていないので、それとは別にお金を稼ぐため、おもちゃやプロダクトを作ったりというところが結構変わっているかなと思います。
岡田:まさに機械や装置を作るというのが、他の美術家とかクリエイターにはない強みが明和電機とそれを支える工員さんにはあるのですが、その工場的(こうば)な部分をTASKOが起こして、タイチさんがマネージャーから、いわばファクトリーの創業者になっているんですよね。
タイチ:そうですね。持っていって、というか仲よく起業しました。
明和電機のシステムは、社長の土佐信道さんが芸術家なので、自分が発想したことを何でもやりたいという人で、工員を中心に皆でそれを支えたというような感じです。
じゃあ支えるチームだけあって、その中心の土佐社長的な位置に別のクライアントが入ってくるということもできるんじゃないかというのが、起業への発想です。
今主要メンバー、チーフメンバーが5人ぐらいいて、この下に、制作チーム、ステージチーム、デザインチーム、みたいに分かれて存在しています。それぞれ、バラバラに動いていることもありつつ、相互にくっついてやることもあるような、とにかくさまざまなプロが、さまざまなものづくりをしている、そういうスタイルになっています。
岡田:この人たちというのはそれぞれすごくて、エンタメ(吉本)出身のタイチさんが引っ張ってきているわけなんだけど、他の方々というと演劇の場づくりをずっとやられている方であったりとか、エンジンが使える美術家とか、スペシャリストがごっちゃっといる。
たとえば、これエンジンが使えるってとっても重要なんですよね、TASKOにとっては。
タイチ:まぁそうですね。
岡田:デジタルテクノロジーの極みのようなライゾマティクスは、アナログの極みのエンジンが使えないけど、TASKOは使えるから協力会社になるとか。
タイチ:そうですね、ライゾマがエンジンを使いたければ、うちに話しかけてくるというような。嘘ですよ…実際、機械関係のことをたくさん頼まれます。
岡田:一方で、現代的な演劇がいろいろなものを取り入れてどんどん進化していった時に、自分たちでは賄えないVRなどのテクノロジーを使っていきたいとなった時に、TASKOに声がかかるとか。
タイチ:そうですね。アートジャンルもいろいろあると思うんですけども、そのへんが融合することで新たな表現がでるとか、逆にアウトプットじゃなくて自分の中に考えが浮かんでくるとかそういう時に、ジャンルを横断するのが意外といいというのは、その話をしにきたのですが、今のところ答えは持っていないんですけど、今日お話ししながら整理できればいいなと思っています。
一応、いろいろ紹介してみます。
デザイナーをやってくれている織田君というのがいるのですが、デザイナーの紹介だと普通ですよね。彼は同じく、馬喰町バンドというバンドをやっていて、民謡バンドなんですけど、意外と人気でNHKの教育番組『シャキーン!』で「まつりばなし」というコーナーを担当していたりとか、何かフェスに出たりとかやっています。
工場長が、木村というのですが、彼が最近人気です。
岡田:何が人気なの?
タイチ:え?なんか人気みたいですよ。
岡田:やっぱり、エンジン扱える、ヘビーメタルな美術家でもある、工場長は人気ということですか?
タイチ:いや、なんかつっけんどんなところがいいみたいですね。代理店とかメーカーの人とか、協力してくれる人から、そんなに冷たくされることないじゃないですか。
企画する側は、とにかくこれしたいと提案してくるわけです。それを現実、できるできないの判断をすごく着実なんだけど高速でして「そんなのできねぇよ」みたいなことをすごく言うので、気持ちいいのか何なのかすごく信頼されていて、そこがちょっと人気です。
結果として実現して出来上がるということでもっと人気になる。それもいろいろ理由はあると思うんですけど、TASKOの制作って、いわゆるメカであったり造形を作るチームなので…
岡田:広告やエンタメ業界では、TASKOといえばカラクリが得意といわれますね。
タイチ:だから一時期はずっとピタゴラ装置を作っていたときもありました。それで、もう一生ウチはピタゴラ系はやらないと言っていますけど。
岡田:それはできるけどできないというやつ?
タイチ:結構、ピタゴラ系のからくりって、作る側には精神的に辛いんですよね。ピタゴラ装置って簡単な楽しそうな装置に見えるんですけど、あんな一発でうまいこといかないですから、絶対うまくいかないんですけど、制作会社の人たちは「ちょっとちゃちゃっとドミノ倒して、すぐ撮影が終わりますから!」と言うんですよ。
「おわんねーよ」というアイディア一発。
皆絵を描いてくるんですよ。こうなんか玉がコロコロ転がって、何かにぶつかって、将棋の駒がダーとこうきて、最後ピタゴラスイッチ!みたいに。
そんなのアイディア通りには全然なりませんから。
しかもそれを「一発撮りでやりたいです」とか、「1ヵ月間展示場で展示しておきたいです」とか、相談してくるのですよ。
岡田:何かそんな、楽な思いつき話ばっかり言ってくるものなのですね。
タイチ:言ってきますよ。
岡田:相談されて実現する側は楽じゃないけど、思いついて言っている人間が楽になる話。
タイチ:でもまぁ、求められるているんです。そういうからくり装置が世の中から求められている。
今のように映像表現が流行っている時代で、スマホの画面の中からはじまって、画面から飛び出るプロジェクションマッピングであったり映像表現だらけの中で、もうちょっと複雑な、複雑といったらアレなんですけど、もうちょっと情報量の多いものが求められているときに、リアルに動くからくりが人々の感性に刺さるのですよ。
岡田:エモいもの、エモーショナルなもの、欲しがりますよね。若い人たちは、特に。
タイチ:そうですね、エモいもの。そういう時に、あのエモ木村工場長が、頑張ってものを作ったので、
岡田:エモ職人。
タイチ:そこで、人気というか、ちょっといい感じだったんですよ。まぁそれはメディアアートというのがちょっとここ10年前くらいすごく注目されてきて…
岡田:メディアアートでなにか、ドンドンやってくれやってくれと、大きなビジネスの人たちが動き出したのはここ10年くらいですね。
タイチ:そうですね、10年くらい前から動き始めて、安倍晋三が首相になり、アベノミクスというものがあり、これがこう、ドーンと右肩上がりにいった時に、ウチも乗っかったみたいな感じですかね。
他に触れたいのは、小森さんなのですが、アート演劇というんですかね、現代演劇とか、ダンスとかコンテンポラリーの現場を仕切っている人です。
私が、吉本興業という会社で、明和電機のマネージャーをやったり、同時にお笑い芸人や文化人のマネージャーをやったりしていましたが、基本的には裏方仕事で表には出てこない。同じように裏方としてものづくりする人々がTASKOなのです。
岡田:仕事をお願いしたいときは、タイチさんというインターフェイスが皆いいなと思われ、TASKOに声をかけている。
タイチ:そうですね、あの裏では。基本的にはマネージャーなので、スタッフが今30人ぐらいいるんですけ、私はマネージャースタイルという形でやっている感じです。
岡田:まぁ、皆さんが買うものでなく、クライアント企業を通じたBtoBだから表に出ないのは当たり前なんだけどね。
タイチ:そうですね。
岡田:C(消費者)相手では無いから。
タイチ:まぁ、実はこの後があるので、お話を続けます。
岡田:これが、エモいやつですね。
タイチ:エモいやつです。銀座和光のショッピングウインドウ、ショーウインドウの装飾を手掛けました。
岡田:これはもう100年間いわゆる銀座を代表するというと伝えられるウインドウでの装飾ではありませんか。
タイチ:そうなんですよ。この年(2019年)の年末、この和光のウインドウと、銀座のメインの交差点をまたいだ向いの日産のショールームの上のほうの車のやつと、なおかつ資生堂本店のウインドウもTASKOがやっていた。もうこれは銀座だから、天下を取ったんじゃないかぐらいのぎりぎりコロナ前の年にできた奇跡的な展示です。
岡田:この和光のウインドウの動物たちは何してるの?
タイチ:これは和幸のキャラクターで、今までのキャラクターを全部で和光オールスターズという趣向で無理矢理からくりで演奏させているというやつです。
岡田:このからくり演奏を実現する前に、人間が弾けないものを弾けるロボット楽団というのを、ストロングお酒系の広告用のキャラクターでつくりましたよね。何故か知らないけど、CGアーティストの巨匠である河口洋一郎がデザインという不思議なバンドメンのロボット(実物)が、メカの手さばきでですごい演奏ができるんだという。これでTASKOの名が上がった後に、からくりシリーズをどんどん今にまでつくっていってますね。まさに10年前から。
タイチ:そうですね、これももともと明和電機で打ち込みの機械音楽、マシーン音楽を作品のメインやっていたので、それなりにみんなできる、演奏できるマシーンを、打ち込み音楽用のシステムの延長でできるということからでした。
岡田:また打ち込みのための音楽制作のデジタル信号を、リアルな演奏の動作に変えちゃったりとか、そういうことをできるのは、やはりメディアアートの技があるからできる応用ですもんね。
タイチ:そうですね、基本的には一緒なので。
これは金沢市でやった東アジア文化都市のパフォーマンスの1つで、ひびのこずえさんデザインの衣装です。光ファイバーで、雪吊りをモチーフにした衣装をつくりました。ここが、小森さんの仕事です。
岡田:兼六園とかに、冬になると雪除けに吊っている帽子みたいなやつですよね。金沢というと、冬だと何処でも吊ってあるやつ。
タイチ:雪吊りをイメージした衣装をデザインしたいということで、デザイン画が上がってきて、どうしましょうこうしましょうとこちらからも提案して、光ファイバーで、ファイバーだから「ふわふわふわふわ」するのでそれも綺麗だねみたいな感じで作りました。
1番上のすごく光っている、玉ねぎの一番上のところにライトが入っています。で、そのライトの光がファイバー全部に伝わってきてきれいにいくという感じです。
次に、日本化学未来館でやっている、落合陽一さんのエモい展示の作品で制作をしたという。
岡田:落合さんの「デジタルネイチャー」というのが、誰にでもわかるということになってくる「デジタルネイチャー」の展示ですよね。
タイチ:そうです。なかなか何を言っているのか、伝わりづらいものを、伝わるようにかたちにする。
岡田:展示を通じて「アップデート」されて、いろんな人から見た場合にそれぞれが感じられる「デジタルネイチャー」ですね。
タイチ:そうです。まぁ難解なことだらけなので、それを木村工場長が読み解いて作るという作業がこの展示です。
岡田:この展示は大阪万博に向けて注目が集まる noiz という、コンピューターでデジタルツインといって今あるものをもう一つ別世界のもの作ってしまうというのを設計してしまうような建築事務所が空間をデザインして、その展示物を具現化したのがTASKOみたいな感じですよね。
落合さんの頭の中を、建築家などの別のクリエイターが解析して、その中で実際に展示として動くようにかたちにしたのが木村工場長というようなカタチで。
タイチ:落合さんの中でもこれいけるというのはあるらしく、本当にイメージだけで言っている人ではないですので。ただちょっとだけ何を言っているのかわからないタイミングに、うちのフィニッシュするつくり手が「フィニッシュっす」って、
岡田:アップデートするんでしょそこで。
タイチ:で、「これもう無理だよみたいなこと」言って、じゃあどうしたらできるんだろうみたいな風になってくるという。
岡田:そうですよね。だから落合さんの過去のTASKOが関わった作品にもあったんだけど、すごい私たちが「わっ」とさせるような魔法みたいなものがあった時に、その魔法がみんなから見た場合に「うわ!魔法だー!」と思うような感じまでのフィニッシングというのTASKOさんはすごいお手伝いされているんだなというのを感じます。
まさに、誰から見ても「おっ!」と見えるところまで変換できるというのがいわゆるTASKOの仕事なのかなと。
タイチ:そうですね、この「おっ!」と人々の目を見張らせる仕上がりにまで持って行くというのは、明和電機の土佐社長が、私たちに示してくれたスタイルの典型なのかなと思います。
これは、イベント事なんですけども、品川区の中央公園という大きな公園があるんですけど、そこを使ってアートとものづくりと学びのフェスをやりました。
岡田:これは頼まれてというわけではなく、自分たちでやりたいなというところを、創業地である武蔵小山の品川区で開催したと。
タイチ:そうですね。品川区役所に行って、品川区の中小企業ものづくり課という所と仲良かったりとかしてるので、まぁ「ぶつぶつぶつぶつ」こんなことをやりたいですと言っていたら、「ちょっとやろうか」みたいになってですね、立ち上げたやつです、こんなイベントもできるんだよっていう自慢です。
岡田:あれですよね、カヤックという会社が、株式公開企業でありながら、まさに思いつきをこれはできるぞと思ったらどんどん具現化するという会社の社員が、人から頼まれた仕事は、社員がやりたい仕事しか請けないと言う話をしていて、TASKOにも通じるところがあるのかなと。
何でもやります!というのは、マネージャーであるタイチ・イズムの中にあると思うんですけど、自社の中では社員が無理なことはしない、一方で社員の人が「こんなことやりたいんじゃ!」ということを仕事にしちゃうというのはそのいわゆるTASKOが、会社としての仕事は裏方だけど、芸術家の集まりだというところと、すごい繋がっているところかなと思います。
タイチ:そうですね。結構自分的には最後の砦だなと思っていて、ちょっとマジじゃないですか。チームラボの猪子さんにしろ、ライゾマさんにしろ、ちょっとマジで直球なことを力いっぱいするので、まだウチはボケれるかなという、インディーズ魂でやっていこうかなと思っています。
あとこれ商業施設の賑やかしみたいなものもやりますが、仕掛けが大きいアートのこともします。
たとえば、愛知トリエンナーレでやったサエボーグさんというラテックスを使った動物や女性の等身大や巨大作品でパフォーマンスをする方と一緒に作った作品です。
岡田:インディーズと言いながらも、どんなものづくりであっても、新しい素材、難しい素材でもTASKOだと、いい仕上がりでできちゃうみたいなところが強みかなぁと考えます。
タイチ:そうですね。スタッフが大体美術のバックグラウンドがあったり、工学系であったり、最先端のものを扱える背景の人が多いから、あらゆる分野の芸術家に対応できるのです。サエボーグさんもまたアーティスティックな人だから、どうしてラテックスを使うかっていうと、フェチですみたいなアプローチ。
岡田:あのフェティッシュな女王様的な人が纏うような素材。
タイチ:そうですね。パフォーマンスの衣装には、豚の皮膚みたいなのものを模したものがあったり、絶対それを使いたいとか。制作時も男子はダメで、女子しか入れないとか、結構こだわりのある人で、それはどうしてかというと、大きなやつもありますが、等身大の動物の着ぐるみがたくさんありまして…
サイボーグさんは女性の方なんですけど、自分が着るブタの着ぐるみは、自分のサイズにしか合わせたくないみたいな、そして一度も男性の手に触れられたくないとか、結構こだわって作品を作る方で、そういうのを丁寧にお付き合いできるのがウチなのだと考えています。
あとは個展をやったりとか、21世紀型アートカンパニーと一番最初に言いましたけど、クライアントの請け仕事ばかりではなくて、自分たちの表現を出していこうという、活動もしております。
岡田:明和電機が中国でどんどんハイテクをポップカルチャーに取り入れ始めた中で注目されてコンサートツアーなどをしたときに、深圳の若い投資家が「TASKOもいいよね」って言って、結果、初個展は中国なのですよね?
タイチ:そう、中国初個展で、次国内でこれからやります、これはエモい感じになりそうですよ。
そして、ワークショップもする。
まぁ自分たちで技術を使いながらあれこれとやっているんですけど、ワークショップ体験を皆にやってほしいなというので、教育的なイベントも度々やっています。
たとえば、溶接ワークショップなんですけど、多分普通の人は溶接とか一生やらないので、別に綺麗に仕上げる必要もないけど、鉄と鉄がくっつくという体験だけでも一生に一度やりませんかというそういうイベントでした。子供も革手袋はめさせて、溶接させて、「絶対にふざけるなよ」って言って、「本当に痛いからね」って言ってやったりとか。でも子供もそれやった後は溶接の難しさがわかるというか、手すりを見て「きれいだねこの溶接」みたいなくらいにはアップグレードしていたので、まぁそういう気づき体験も作っていきたいなとやっているやつです。
岡田:こういうTASKOさんに仕事が来る時ってやっぱりコンペとかの話があるんですか?それともコンペにするために一緒にチームにならないかといって広告代理店さんが来るんですか?
タイチ:どっち方向からもありますね。
岡田:コンペって辛くありません?取れるか取れないかみたいな。
タイチ:まぁ別に。それはね、気持ちがちょっと雑な案件とかになると複雑な気持ちになる時もありますけど、まぁいいんじゃないですかね。
岡田:すごいお客さんにTASKOは創業の時からすごい恵まれているなぁと思っていて。
タイチ:そうですね。
岡田:なんでそんなにお客さんから恵まれているんだろうと思ったりもするんだけど。
タイチ:まぁそれは企業秘密です。
岡田:何の秘密があるんですかそれは。
タイチ:何かあるんですよ。一応さっきの5人チーム、創業チーフチームと、今年はこの戦略で行っていこうかみたいな。ファッションにおけるテーマみたいなのを決めたりとか、やってますよ。営業でいう経営テーマみたいな。
岡田:だとすると不思議なのはマネージャーを大企業(吉本)の中でもやってきて、タイチさんがバリバリ営業やってきたかというとそうでもないように見えるんだけど、仕事が絶えない。
タイチ:そうですね。まぁ緩やかな営業を実はしていて、仕事くれくれって言いまわるのが営業じゃないですもんね。SNSで発信したりとかも含めての営業なので、だからそこら辺は言わないですよ、「仕事ください。お化け屋敷やりましょう」みたいなのを大きな声で。
岡田:そういうのもチームで、じわじわ魅せるんだ、みたいな感じで。
タイチ:そうですね。まぁありますよいろいろ本当に。歳の頃設定みたいなのをしていて、まぁ35歳くらいの人が1番仕事来るんじゃないかみたいな。で、35歳な演出をするんですよ。まぁ歳いってる方は35に歳よせて、若い方はちょっと貫禄つけるみたいな35じゃねーみたいな。
岡田:一番起用されるのが35歳あたりという戦略。
タイチ:ちょうどその辺が良いんじゃないのかなって。ちょっと年行くと、話しかけにくくなるから、難しくなるかなと。
岡田:年齢的にって話ですよね。
タイチ:歳行くと、クリエイティブって若作りするでしょ?やっぱり
岡田:まぁそうですね。
タイチ:あるんですよこういうのいろいろ。